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ガルバリウムVS窯業系サイディング

ここでは、窯業系サイディングとガルバリウム外壁材の優れている点、劣っている点を比べながらガルバリウム外壁材の隠れた特性にも注目しながら説明をしたいと思います。

劣っている点

1.外壁のデザインが悪い これは、よくガルバリウムの材料の掲示板に書いていることで「まるで工場みたいだからいやだ」との悪評がめだちます。色の種類が少なくあまり気に入ったものがない。 単調で変化がない。窯業系と比べて見劣りする。 2.熱膨張などが発生する 屋根材などを外壁に使用する場合で働き幅が大きい場合、熱膨張により朝、夕方などに、ぽこん、ぱこん、といった音がする場合があります。 3.ガルバリウム単体では、施工する範囲が限られる 準防火区域、防火区域などの新築工事の場所では、材料単体では施工できません。

優れている点

1.雨漏りが少ない。 
これは、外壁に使用されている絶対数の違いはあるものの、雨漏り相談で多いのは、たいてい窯業系のサイディングです。
それも雨漏り原因の多くは、雨水の吸い上がり(とくにサッシとの取り合い)と、窯業系サイディングと窯業系サイディングとの目地の取り合いの場所でのコーキングの劣化による雨漏りが、相談のほとんど多くを占めています。
それは、どうしてか、おわかりになりますでしょうか?
透湿シートや防水テープが、しっかり貼っていないからでしょうか?ではなぜ透湿シートや防水テープが、必要になるのでしょうか?なぜ、施工する材料単体で雨からの進入が防げないのでしょうか?どうしてサッシ取り合いの場所で雨漏りがしやすいのでしょうか?
不思議とは、思いませんか?何かおかしいと、気づきませんか?

ではなぜ窯業系サイディングは、雨漏りをおこしやすいのでしょうか・・・

ここでは、ガルバリウム角波と窯業系サイディングを例題に出して比べてみたいと思います。皆様は、ガルバリウム角波材と窯業系サイディングの裏側がどのような形になっているか見たことはありますでしょうか。そうです、表面ではなくて裏面です。
なぜ、裏面が重要なのかと言いますと、雨漏りレームの違いの原因は、ガルバリウム鋼板の外壁材と窯業系サイディング本体の裏の形が全ての原因だったからなのです。
これが、ガルバリウム鋼板の外壁材の隠れた特性でいままでだれも感じなかったことで、だれも気が付いていない所です。
どこがどう違うのか、写真のガルバリウムの角波と窯業系サイディングの裏の形をよく見てください。
ガルバニウム角波の表面 ガルバニウム角波の裏面
左がガルバニウム角波の表面で、右がガルバニウム角波の裏面です。

窯業系サイディング無塗装板12ミリ表面 窯業系サイディング12ミリの裏側
左が窯業系サイディング無塗装板12ミリ表面で、右が窯業系サイディング12ミリの裏側です。

窯業系サイディングの裏の形状は、サイディングの厚みに関係なく全て同じです。
どこが違うかおわかりになりましたでしょうか。

wall-photo_09.jpg
ガルバリウムの角波は施工面に一部しか触れていません。(触れている部分をわかり易いように一部黒色で色わけしてあります。)

この裏面を見てわかるように窯業系サイディングは、裏面全面が施工面として触れてしまいます。よって雨水が、毛細管現象で吸い上がるのです。
そのために透湿シートや防水テープなどが必要になります。

(どのメーカーの標準施工要領書にも防水テープを使用したのち透湿シートを貼って施工してくださいとしか書かれていません。その他には、防水テープの貼り方が書いてあるぐらいでなぜ、その防水テープが必要なのかは、答えていません。防水テープの貼り方は、窓枠の場合 下側をまず貼って、両サイドを貼って、上部を貼るようにと施工要領書に書いてあります。)
窯業系メーカーが、透湿シートや防水テープにたよらず窯業系サイディング本体の裏の形を見直さないかぎりは、雨水の吸い上がりの事例はこれからもでてくると思います。 これらのことを考えると外壁の通気工法の方式を取り入れることは、ガルバリウム角波のように施工面との接触する部分をできるだけ減らせる工夫となり毛細管現象が、少なくなる事例と考えられます。

窯業系たて張り 通気ドウブチの施工例
窯業系たて張り 通気ドウブチの施工例

また、このごろは金属系の外壁でも透湿シートなどを使う現場が増えてきました。
ただしその使用する目的の違いがあります。 窯業系サイディングは、コーキングの亀裂や劣化などした場合、雨の進入を防ぐために透湿シートを張りますが、ガルバリウム等の外壁の場合は雨の進入を防ぐと言う意味合いよりもガルバリウム外壁材の下地材やプラスター材料など、古い建物の場合は、土壁などを、ガルバリウム外壁材の施工が、完了するまでに濡れないように保護するためです。 「施工するまでの間に雨に濡れるから困る」とか「雨が吹き込むと下地がだめになってしまわないか」とか言う心配ごとを取り除くためです。 ですから根本的に使用する目的が違います。
2.長尺施工ができ無駄な水切りやコーキング作業を必要としない
長尺で現場ごとの特注品となりますが、外壁に見られるジョイント部のコーキングや水切り等がいらないためコーキング等の劣化、亀裂等がなく窯業系サイディングに比べて低メンテナンスとなっています。
通常コーキングの有効期間は通常3年から5年程度となっています。 サイディング目地等の亀裂、劣化は、雨漏りがしない以上全て業者負担ではなくて施工主負担でおこなわれるのが普通です。
3.材料単体で通気工法ができる。 このごろは通気工法がよく採用されていますが、金属系外壁材の角波、K型スパンのようなものは材料自体で通気工法ができるのです。 これも隠れた特性の一つと考えても良いと思います。 その効果として驚くことは、20年前ごろに貼ったトタンの角波の張替え工事で木下地の色はかわっていましたが木、本来の性質は変わっていませんでした。
4.本体重量が軽い
外壁材の中で一番軽いです。建物に余分な負担をかけません。 とくに既設の建物の外壁が、モルタルやALCの場合のリフォーム工事などにはとくにお薦めです。
5.コストがほかの建材に比べて割安
使用する金属や施工方法にもよりますが、窯業系にたいしても若干割安になっています。ただし、ガルバリウムでも使用する材料によって価格帯にばらつきがありますのでそのつど施工店へご確認ください。

6.環境に優しい
地球にやさしい建材です。
窯業系サイディングは、メーカーのほうで再利用の流れができつつありますが、そのほとんどの窯業系サイディングのゴミは、ほとんど埋め立て処理によって廃棄されます。
ガルバリウムの建材は、余った材料やカットくずなどは、全て再生可能です。ガルバリウムの廃材は、鉄くずでは、高級廃材の部類として扱われ鉄クズ専門業者などが、このんでひきとっていただけます。そしてまた、新しい材料として再生されます。

資料提供:若森板金